【2022年3月16日】玉岡かおるさんが神戸で講演会

神戸商工会議所中央支部は、3月16日(木)に神戸市産業振興センターで、小説家玉岡かおるさんの講演会を開催しました。

玉岡かおるさんは、五十数冊の小説を執筆され、最新刊は初の男性主人公・工楽松右衛門を描いた『帆(ほ)神(しん) 北前船を走らせた男』です。江戸時代の発明家・工楽松右衛門は、高田屋嘉兵衛、北風正造、神田(こうだ)兵右衛門とともに兵庫津の偉人です。昨年11月に「兵庫津ミュージアム」が開館し、続いて偉人の小説が発刊され、また講演会が開催されたことは、私たち兵庫津にとって本当にありがたいことです。

演題は、『神戸ビジネスのさきがけ兵庫津~海商たちの自治と繁栄~』で、神戸商工会議所中央支部副会長、(一社)よみがえる兵庫津連絡協議会の高田誠司会長の挨拶で始まりました。

200人の会場は、三密対策を講じながら、熱気に満ちていました。

スクリーンには次々と映像が映し出され、玉岡さんが書かれた沢山の小説の主人公と結び付け、臨場感あふれる素晴らしいスピーチに会場全体がタイムスリップしながら、明治以降の神戸とそれ以前の兵庫津の海商や各時代の主人公たちの活躍と風景を目の当たりにしました。

特に、玉岡かおるさんは兵庫津について、次のことを力説されました。

:ビジネスチャンスは、いつも周りにある。それを兵庫津が生んだ海商たちは努力をして見事に成し遂げました。

:高田屋嘉兵衛を小説にした司馬遼太郎氏には、心からSpecial Thanks を贈りたいです。

:工楽松右衛門が発明した北前船の帆の原料は周りにある綿で、糸繰り工の女性たちが丈夫な帆を作り上げました。

:神戸村を神戸港に開港した要因は、そこに船たで職人がいたからですが、工楽松右衛門は北海道、エトロフまで行って船の修理、港の整備、港湾政策を行っており、日本には昔からSDGsが行われていました。

:自治の制度は、兵庫津で19世紀に成立していました。海側には北濱、南濱が、西国街道側には岡方の惣会所があり、選挙でリーダーが決められた共存自治のまちでした。

:北風家は12の蔵を持ち、リーダーシップをとり、税を少なくして皆が発展することを第一とする共存の思考を実践しました。

:兵庫津は天領で数人の大阪代官が来ていましたが、狭い兵庫津は人口2万人の商人が自治するまちでした。

 

改めて、私たち兵庫津日本遺産の会とましては、偉大な歴史と文化遺産を受け継ぎ、後世に引き継ぐ役割がどれほど貴重なことであるかを再認識させていただいた素晴らしい講演会でした。

 

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